運動器系体表解剖セミナーB ③-2

運動器系体表解剖セミナーB ③ 二日目は『殿部』と『足底』です。

前日に投影した『脊柱起立筋群』と同様、殿部は臨床上重要な部位です。


3月10日(日)

二日目は殿部の投影から始まります。

まずはいつものように骨指標から投影します。

上後腸骨棘、腸骨稜後半、大坐骨切痕、仙骨外側縁、下後腸骨棘、尾骨先端、坐骨結節、尾骨下端、坐骨結節、小坐骨切痕、坐骨棘、大転子、転子間陵、小転子を投影。

まずは殿部の多くを占める『大殿筋』を触察投影します。

『大殿筋』の上端は、上後腸骨棘の後端のやや外側に位置し、下端は大腿長の近位1/3の高さで、大腿部外側1/3の部位に位置し、後方から見ると、殿部と大腿部の近位1/3の領域を覆う大きい筋肉です。

上後腸骨棘の後端から2横指外側頭方の部位と、外側方へ投影した大転子の前近位端から2横指頭方の部位を結ぶ線を想定する。

想定線の中点から2横指前外側頭方の部位へ指を置き、前内側尾方へ圧迫しながら後内側尾方へ移動させる。

前内方の圧迫力が弱すぎると皮下組織と取り間違えやすく、圧迫が強すぎると深層の中殿筋の筋腹と間違えやすいので注意が必要である。

内側下縁は、大腿骨の後面近位1/3の部位と坐骨結節の下端を結ぶ想定線に指を置き後外側頭へ移動する。

膝関節屈曲位や股関節伸展などの筋収縮を用いて確認する。

内側縁は、下後腸骨棘の高さに指を置き外側方へさすり、確認した筋腹を上後腸骨棘の後端を2横指外側頭方の部位を指標に外側頭方、尾骨下端を指標に尾方へ辿る。

前外側縁は、大腿骨の後面近位1/3から大転子前近位端から2横指頭方を結び触察する。

大きい『大殿筋』を投影したら、今度は『中殿筋』後方の領域を投影します。

『中殿筋』は殿部の後面および外側面に位置する扇状の筋で、前部と後部の2つの筋腹で構成されています。

前部は後部に比べて筋腹が大きく、筋束は前頭方から後尾方へ走行しており、

後部の筋束は後頭方から前尾方へ向かって走行しています。

まずは後下縁から内側縁を投影します。

上後腸骨棘の後端と下後腸骨棘との中点と、後外側へ投影した大転子の後内側近位端とを結ぶ線を想定1とする。

上後腸骨棘の後端から2横指外側頭方の部位から尾方へ引いた線を想定2とする。

想定線1と2との交点を確認。

想定線1に指を置き前方へ圧迫しながら指を外側頭方へ移動させる。

筋腹の後下縁を、大転子の後内側近位端を指標にして外側尾方へ、先ほどの想定線の交点を指標に内側方へ辿る。

尾方を投影したら、上後腸骨棘の後端から2横指外側頭方を指標にして頭方へ辿る。

前部と後部の境界は、後外側へ投影した大転子の後内側近位端から頭方へ引いた線に指を置き、圧迫しながら前後に移動する。

体表解剖 中殿筋

続いて『梨状筋』です。

坐骨神経上にある筋肉として有名で、治療点としても良く使用する部位です。

『中殿筋』のすぐ内側尾方に位置する筋で、大きさは個体により異なります。

『大殿筋』と同じ走行なので、区別に注意が必要です。

『梨状筋』外側上縁は、上後腸骨棘の後端と下後腸骨棘の中点と大転子の後内側近位端を結ぶ線を想定し、内側尾方へ圧迫し投影。

内側下縁は、上後腸骨棘の後端と尾骨の下端との中点と、後外側方へ投影した大転子の後内側近位端から1横指との線を結び、外側頭方へ圧迫し投影。

『梨状筋』の中に『内閉鎖筋』の太い腱を触察投影。

『内閉鎖筋』の腱と『梨状筋』外側上縁との間に『上双子筋』、内側下縁との間に『上双子筋』を確認。

坐骨結節の下端と、後外側方へ投影した大転子の後内側近位端から5横指の部位とを結ぶ線を想定し『腰方形筋』の下縁を触察、投影。

これで『外閉鎖筋』以外の外旋筋の触察投影が完了しました。

体表解剖 梨状筋

後半は、仰向けになり『中殿筋』の前方と『大腿筋膜長筋』の投影です。

上前腸骨棘、腸骨稜前半、下前腸骨棘、大転子、腸脛靱帯を投影。

下前腸骨棘と大転子外側端から2横指尾方の部位を結ぶ線を想定し『中殿筋』の前下縁を投影。

次は『大腿筋膜長筋』を投影します。

まず、腸脛靱帯の遠位部の前縁と後縁を触察投影。

下肢の自動挙上で『縫工筋』と『大腿筋膜長筋』との間のくぼみを確認できるが、『縫工筋』が浅層に位置するため、くぼみは外側尾方で観察できる。

前縁は、上前腸骨棘の前下端から2横指尾方の部位に指を置き外側方へ触察。

確認した筋腹の前縁を、上前腸骨棘の内側端を指標に内側頭方へ、また腸脛靱帯の前縁を指標に外側尾方へ辿る。

後縁は、上前腸骨棘の下端から2横指後頭方の部位と、大転子の前遠位端とを結ぶ線に指を置き内側方へ圧迫しながら指を前方へ移動させる。

後遠位縁は、前縁の遠位端と後縁の遠位端に指を置き前後にさする。

抵抗に対し股関節を自動外転させると触知しやすい。

その後は足底の筋の触察です。

骨の踵骨隆起、第1中足骨の種子骨を投影し、『母趾外転筋』、『短母趾屈筋』、『少趾外転筋』、『短少趾屈筋』、『短趾屈筋』、『足底方形筋』、『母趾内転筋』、『少趾対立筋』を触察投影。

これで二日目が終了し、自身の体表解剖セミナーの全日程も終了しました。



総括

昨年6月から受講してから計6回、12日間で得た学びは非常に有意義で、誤解を恐れずに言うならば、以前より臨床力が格段に向上したように感じます。

鍼灸学校で習うツボの取り方(取穴)とは違い、しっかり体表から筋肉を触知することで、どんな体型、体勢でもほぼ狙ったところにアプローチできる鍼灸技術、痛みの評価をする際の発痛部位の特定などに効果を発揮しています。

今後も復習しながら更に触察力を磨けるよう努力したいと思います。

体表解剖 修了証

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