美容鍼アカデミックフォーラム2019

美容鍼アカデミックフォーラム 美容鍼

5月26日(土)『美容鍼アカデミックフォーラム2019』に参加致しました。

この会は『日本メディカル美容鍼協会』、『アンチエイジング美容鍼研究会』、『美容鍼灸の会 美真会』の業界3団体合同の学術集会です。

今回のプログラムは

  • 美容医療の基礎知識 -美容皮膚科領域の進歩と功罪-
  • 顔面部の解剖学
  • 顔面神経麻痺の鍼治療 -表情筋へのアプローチの考察-
  • 美容鍼のリスクマネジメント
  • 内出血の発現頻度研究
  • パルス通電の実験研究

というお題で行われました。

基調講演:

美容医療の基礎知識 -美容皮膚科領域の進歩と功罪-

講師:医学博士 尾見徳弥先生


始めは、医学博士 尾見先生による美容医療の基礎を説明して頂きました。

美容外科と美容皮膚科の違い、しみやしわに対する治療方法などの説明頂きました。

また、美容医療の問題点として患者からのクレームが消費者庁などへ多発していることを挙げられていました。

実際受けた説明と施術内容や結果が違ったり、後に高額な請求をうけるなどのトラブルが多発し、それを踏まえ厚生労働省は昨年より『医療広告ガイドライン』を強化し、ホームページ上での誇大広告、説明の無いビフォーアフター写真、優位性を感じさせる表現(地域でNo1など)や文言を厳しく規制するようになりました。

これらは我々鍼灸院、指圧あんまマッサージ院、接骨院も同様に扱われ、美容鍼も含めホームページ上の表現には今後も注意が必要だと感じました。

教育講演1

顔面部の解剖学

講師:医学博士 樋口桂先生


続いては、医学博士 樋口先生による 『顔面構図からみた美容(表情筋・皮膚・循環』です。

我々は専門学校で解剖学の基礎を学んだ後は個々にセミナーなどで勉強しますが、『美容』とリンクした『顔面に特化した解剖』という学び方は今まで経験が無かったので、今回の講義には大変興味を持ちました。

皮膚表面から骨までの細かい構造及び、役割、鍼によって期待される効果を変わりやすく図解、説明して頂きました。

筋の構造では、口角の横にある口角結節(モダオラス)が腱中心のような構造をしており、口角を筋肉の動きに影響があることが解りました。

ここを狙って刺鍼あるいは手技で刺激することでリフトアップ、筋の引き締めに効果があるのではないかと思いました。

その後は顔面神経の走行、リンパ管の走行、顔の危険部位など詳しく細かく説明して頂きました。

教育講演2

顔面神経麻痺の鍼治療 -表情筋へのアプローチの考察-

講師:鍼灸師/心身健康科学博士 粕谷大智先生


最近各メディアにも引っ張りだこの 粕谷先生の講義です。

今回は末梢神経性顔面麻痺における表情筋へのアプローチの講義です。

末梢神経性顔面麻痺は、ウイルスなどが原因による炎症によって神経損傷、絞扼性損傷が起こり表情筋などに麻痺が起こる状態です。

以前は麻痺を改善するには神経再生を促せば麻痺は回復するとされていたのですが、現在は間違った神経の再生によって起こる病的共同運動の予防・軽便ができるかを重視して治療を行うため、強い手技や鍼での電気刺激は禁忌とされているようです。

表情筋には筋紡錘が無く、トーヌス(筋緊張)を調整できないため、粗大な表情筋運動をさせると筋短縮が助長され病的共同運動を悪化させると言われています。

よって低周波鍼通電も筋短縮を起こす危険性があるということです。

美容鍼において微弱電流を使った施術は効果のある施術方法として有効ですが、顔面麻痺においては注意が必要です。

次からは各団体代表の発表です。

レクチャー

美容鍼のリスクマネジメント

講師:鍼灸師 折橋梢恵先生


『美容鍼灸の会 美真会』折橋先生より、3団体合同企画『美容鍼リスクマネジメントの手引き』について説明および解説がありました。

美容鍼の定義、内出血の初め12項目のリスクマネジメント、美容医療との併用におけるリスクマネジメント、美容鍼施術者に推奨することなどを説明して頂きました。

研究発表1

内出血の発現頻度研究

講師:鍼灸師 岡本真理先生


続いては『日本メディカル美容鍼協会』岡本先生による研究発表です。

出血、内出血の種類、発言のメカニズム、内出血の起こりやすい人、出血性傾向のある疾患の説明、解説があり、ご自身の経営されている『麻布ハリーク』の患者さんのご協力の元、内出血の発生頻度、内出血の大きさ、消失までの期間、鍼通電を使用した場合としない場合の内出血の頻度などの結果を発表して頂きました。

鍼通電の有無で内出血が起こる頻度はほぼ同じということでした。

研究発表1

パルス通電の実験研究

講師:鍼灸師 長谷川亮先生


最後は『アンチエイジング美容鍼研究会』長谷川先生による研究発表です。

学会に発表する内容の課程を説明されるこいうことでレジメは無く、スライドのみの発表でした。

数名の患者さんに対して、鍼通電を行う前後の顔の変化、皮膚温度、効果の持続期間などの結果を説明して頂きました。

また、鍼通電を行うと『合谷』あたりの温度が上がる傾向が見られたようです。

『面目は合谷』という言葉が東洋医学にはありますが、西洋医学に置き換えてみても何らかの関係がありそうですね。


総括

今まで美容鍼のセミナーは『技術セミナー』でしたので、今回のような座学で、医師による美容に特化した解剖学、生理学、またリスクマネジメントを学べたことは今後の美容鍼臨床において重要な基礎になることは間違いありません。

さらに深く学んだことをもう一度精査し、来院される患者さんに還元していと思います。

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