長野式臨床研究会基礎セミナー④ 実技セミナー③
令和2年11月22日(日)長野式臨床研究会主催の基礎セミナーに参加しました。
今回は実技セミナー3回目、座学の4回目が行なわれました。
今回の実技は二人一組で行なわれました。
実技セミナー③ 『血管系』
『瘀血処置』
瘀血とは広義では「血液循環障害」、狭義では下腹部に触知される血塊を想像するような「硬結」を言う。
しかし、現代医学ではこのような病変は全く取り上げられない。
東洋医学では最も重要な病理思想の一つとしている。
- 全身の血液の運行が滞った状態
- 局部的な血液の停滞
- 経脈から離れた血液などを瘀血と言う
腹診 中注 大巨(左が多い) 硬く触れる傾向や圧痛、圧痛著明および強い拍動がある。
腹部瘀血処置
○中封 充分補鍼し、留鍼(特に左中封が重要)
○尺択 じっくり雀啄補鍼(手三里、天牖に変えてもよい)
- 第7胸椎ラインの至陽、隔腧、隔関のうち、反応のある点に「遅脉」なら補鍼、「数脉」なら皮内鍼。隔腧は八会穴の血会である
- 頑固な瘀血には施灸 中封 尺択
瘀血が取れにくい場合
- 瘀血塊の下部に気を補う為に補鍼
- 恥骨角付近の圧痛に浅刺補鍼
- 鼠径部の血管裂孔付近の硬結、圧痛部に雀啄補鍼
頭部瘀血処置
診断 百会を中心に熱感、圧痛、ブヨブヨを診る
処置 ○ブヨブヨしたところに水平刺で丁寧に雀啄瀉鍼を繰り返す
肝実処置
診断 左天枢の圧痛、右期門の強圧痛および胸脇苦満を調べる。
処置 肝実5点 右少海(心経) 右郄門(心包経) 右曲池(大腸経) 右腹溜(腎経) 右漏谷(脾経)
○脉状が遅脉の場合
門脈末端は直腸静脈に繋がる為「会陽」に関連痛が出る。
「左会陽」に上仙に向けて水平深刺丁寧にじっくりと雀啄、
「両大腸腧」に雀啄補鍼
○脉状が数脉の場合(右のみでよい)
○肝経の火穴である「行間」(+)ある時(肝の実)
肝経の気水穴処置「中封」「曲泉」に雀啄補鍼
○慢性時は施灸が必要
治療後左天枢(+)⇒(-)確認
心因性骨盤うっ血処置
診断 肩井の強度の圧痛(両側)、同時に陰陵泉にも圧痛が出る。
処置 ①陰陵泉にしっかり雀啄 ②間史または郄門に雀啄補鍼 ③商丘に雀啄補鍼
骨盤虚血処置(座学のみ)
診断 脉状の「細脉」血虚を現す。
処置 ①八髎穴の反応点に灸頭鍼(特に上髎、次髎) ②三陰交、内関または郄門に補鍼と施灸7壮3ヶ月+血海補鍼
椎骨脳底動脈血流促進処置(イ・ヒ・コン処置)
症状(診断)一過性の脳虚血による、めまい、嘔気、嘔吐、四肢麻痺および痺れ感、半盲、視力障害、嚥下困難、後頭部重圧感、言語障害、歩行障害などの比較的軽度の症状に有効である。
処置 全身症状 脉診、腹診によってことなる
①陰谷、曲泉、上四瀆に雀啄瀉鍼
②委中、飛揚に補鍼、崑崙に雀啄瀉鍼
③更に天柱、風池、完骨など後頭部のうっ血切瀉
血管運動神経活性化処置(横V字椎間刺鍼)
この処置は椎間の狭小部分または、目的臓器、器官と関係ある椎間に刺鍼して、交感神経を介し血管運動神経を賦活させることにより、血行促進、循環代謝の促進を目的とする
刺鍼部位は、椎間の狭小部位をみつけ、上方、内方、に各々45度の角度で10~15㎜の深さで雀啄
下垂処置
内臓下垂による下肢の血行障害、関節炎、神経痛の処置。
下腹部の腹圧を上げ、腹腔内臓の血流が改善され、様々な愁訴に効果が出る。
診断 ①脉状 前浮後沈(尺落)
②鼠径部の圧痛
③気戸の圧痛
④子宮摘出、又は下腹部のOPを行なった人、複数出産の経産婦
⑤高齢により下腹部軟弱な人(腎虚)
⑥肥満者、痩身者
処置 ① 数脉時 伏兎、風市、内陰、衝門、気戸、郄門、
反応に合わせて選穴。15~20分雀啄留鍼
② 遅脉時 京門(直刺)、大腸腧、生辺(必ず側臥位)
③ 帯脈も効果有り
座学セミナー④ 『神経・内分泌系』
座学はハンス・セリエのストレス学説の解説、「自律神経調整処置『全身的交感神経緊張抑制処置』」「行間神経機能促進処置」「副交感神経機能促進処置」「側弯処置」「副腎処置」を学びました。
詳しくは次回実技の時に報告致します。
今回の実技は処置項目が多く、かなり戸惑いながらの練習になりましたが、講師の皆さんの丁寧なご指導のおかげでなんとか成し遂げました。
段々内容も濃くなり難易度も上がってますが、しっかり学んで行きたいと思います。