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不妊とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにもかかわらず、一定期間(一年)妊娠しないと定義されています。
2021年の国立社会保障・人口問題研究所によると、夫婦のおよそ50%以上が現在または過去に不妊の検査や治療を受けたことがあるという結果が報告されています。
不妊というと女性側に原因があると思われがちですが、男性と女性の原因の割合は不妊全体の約40%づつでほぼ1:1です。
男性側、女性側、男女両方、原因不明の場合もあります。
女性側の主な原因は排卵因子、卵管因子、頸管因子、免疫因子、子宮因子などが考えられます。
女性ホルモンを出す仕組みに影響を与える病気、極度の肥満、体重減少、男性ホルモンが高くなるホルモンのバランス異常など。また、全く月経が無い場合、様々なホルモン分泌異常や早発卵巣不全(早期閉経)の方もいます。
クラミジア感染症による卵管炎、骨盤腹膜炎などによる卵管の詰まり。
子宮内膜症の病変による卵管周囲の癒着が起こり卵管が詰まる。
これらが原因で受精が阻害され、妊娠に至ることが難しくなります。
子宮の出口を閉める子宮頸管は、排卵が近づくと内部の粘液が精子が貫通しやすいように変化しますが、この粘液の分泌が少なかったり、精子の貫通に適していない場合精子が子宮内に入りにくくなり、妊娠が起きにくくなります。
精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管の中で抗精子抗体が分泌されると、精子の運動性が低下し卵子までたどり着けず妊娠に至りません。
子宮筋腫や子宮の先天的な形態異常などにより、子宮の血流が悪かったり、子宮内に癒着などがあると、子宮内に到達した胚の着床を妨げ、妊娠に至りません。
男性側の原因は精子を作る機能の低下、精子運動力の低下、精子が通る経路が障害されるなどが挙げられます。
精子の数が少ない、精子が無い、精子の運動性が悪いと妊娠しにくくなります。
精索静脈瘤で精巣内の温度が高くなっていると、精子の数や運動性が低下します。
原因不明で精子が作られない場合もあります。
作られた精子が陰茎の先端へ通る為の道が途中で詰まっていると、射精はできても排出できず、妊娠に至りません。
精巣上体炎などにより精管が詰まっている場合などがあります。
勃起障害(ED)、膣内射精障害など性行為で射精できないものを言います。
一般的にはストレス、妊娠に向けての精神的プレッシャーなどが原因と考えられています。
糖尿病などの疾患が原因の場合もあります。
男女に共通する原因は、加齢に伴う妊孕性(にんようせい)低下が考えられます。
また、男女共に生殖機能上問題が無い場合でも妊娠に至らない原因不明のケースもあります。
男女とも加齢による妊孕性(妊娠する・させる力)低下することが解っています。
女性は30歳を過ぎると自然妊娠する確率が減少し、35歳を過ぎると著明な低下を来します。
加齢による子宮内膜症の増加、卵子の質の低下が起こることが原因と考えられています。
男性は女性に比べてゆっくりですが、35歳頃から精子の質が低下します。
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